高配当株を「同じ業種で固めない」理由。減配が重なった時に家計が揺れないために
利回りの高い銘柄を集めていたら、気づけば同じ業種に偏っていた——。一つの業種に固めると、不況時に配当が同時に減るかもしれない。そんな不安からセクター分散を意識するようになった経緯と、減配が起きても慌てないために考えていることを、わが家の試行錯誤として正直に書きました。
目次
高配当株を少しずつ買い増していくなかで、「銘柄の選び方」の次にぶつかったのが「どう散らすか」でした。
一つひとつの銘柄は、自分なりの物差しで選んでいたつもりでした。でもある日、保有しているものを並べて眺めてみたら、なんだか似た顔ぶれが並んでいることに気づいたんです。
今日は、わが家がなぜ「同じ業種で固めない」ことを意識するようになったか、という地味な話です。
なお先にお断りしておくと、これはおすすめの方法でも、正解でもありません。あくまで「私はこう考えてきた」という一例として読んでいただけたら、と思います。
気づいたら、似た業種ばかり持っていた
高配当株を探していると、どうしても利回りの高い業種に目が向きがちでした。
利回りが比較的高めに出やすい業種というのは、ある程度かたまっている印象があって。私の場合も、気づけば似たような業種の銘柄が、保有のなかで大きめの割合を占めていました。
一つひとつは「物差し」を通して選んだものなので、悪い銘柄を買ったつもりはありませんでした。でも、同じ業種に偏っているという一点だけが、あとから少し引っかかるようになったんです。
銘柄を選ぶときの物差しの話は、こちらに書いています。
→ 高配当株、私はこの順番で絞り込んでいます。利回りだけで選ばないための”わが家の物差し”
一つの業種に固まると、不況のときに「同時に」減りそうで怖かった
引っかかった理由は、はっきりしています。
同じ業種の会社は、景気の波や、その業界をとりまく環境の変化を、似たタイミングで受けやすいのではないか、と感じたからです。
たとえばある業界全体に逆風が吹いたとき、その業界の会社は、揃って業績が苦しくなることがあります。そうなると、配当を減らす(減配)会社も、同じ時期にいくつか出てくるかもしれない。
私が高配当株を持っている目的は、現在進行形の教育費を少しでも楽にすることでした。だからこそ、「入ってくる配当が、ある時期にまとめて細る」という事態が、いちばん怖かったんです。
一つの業種に固めていると、その業種が苦しくなった瞬間に、家計に入ってくる配当が一気に揺れる——。あくまで私の想像の範囲ですが、そう考えると落ち着かなくなって、「業種を散らしておこう」と思うようになりました。
セクター分散の考え方——「同時に揺れにくいように」散らす
「セクター」というのは、ざっくり言うと「業種のグループ」のことです。
私がやろうとしているのは、難しいことではありません。保有が一つの業種に偏らないように、いくつかの違う業種にまたがるようにしておく、というだけです。
意識しているのは、たとえばこんなことでした。
- 一つの業種だけで、保有の大きな割合を占めないようにする
- 性格の違う業種を、いくつか組み合わせておく
- 新しく買い増すとき、すでに多めに持っている業種は少し抑えて考える
ねらいは「値上がりを狙う」ことではなくて、「配当が同時に細るのを避けたい」という、わりと守りの発想です。一つの業種が苦しいときでも、別の業種がいつもどおりなら、家計に入ってくる配当の落ち込みは、少しはやわらぐのではないか——そんな印象で続けています。
ここで一つ正直に書いておくと、私はこれを何%ずつ、と厳密に管理しているわけではありません。割合をきっちり決めて運用できるほど器用ではなくて、「偏りすぎていないかな」と時々眺めて、買い増すときに少し気をつける、くらいのゆるい感覚でやっています。
なぜ私が高配当株という選択をしたのか、という大もとの話はこちらです。
→ 娘の塾代を、少しでも楽に捻出したくて。家計を見直して投資を始めた話
減配が起きたときに、慌てないために考えていること
どれだけ業種を散らしても、減配そのものをゼロにはできません。これは分散の話とは別の、心構えの問題だと思っています。
実際、保有しているなかで減配の知らせを受け取ったことは、私にもあります。最初の頃は、その一報だけで「どうしよう」と気持ちがざわつきました。
何度か経験するうちに、自分のなかで決めたことがいくつかあります。
- 一つの減配で、家計全体が傾かない状態にしておく — 一銘柄・一業種に頼りきっていなければ、減配の一報を受け取っても「全体のなかの一部」として受け止めやすい、と感じています。
- 減配の理由を、慌てて売る前に一度確認する — 一時的な事情なのか、長く続きそうな話なのかで、受け止め方は変わります。ニュースの見出しだけで反射的に動かないようにしたい、と考えるようになりました。
- そもそも配当は「保証されたもの」ではないと思っておく — 配当はあくまで会社の判断で出されるもので、ずっと同じ額が続く約束はどこにもありません。最初からそう思っておくほうが、いざというときに落ち着いていられる気がしています。
業種を散らしておくことの本当のメリットは、利回りそのものより、「減配の一報を受け取ったときの動揺が、少し小さくなる」ことなのかもしれない、と最近は感じています。
実際に入ってきた配当をどう管理して眺めているか、という話は別記事にまとめています。
→ 「配当金、いくら入った?」を一目で。高配当株の入金をマネーフォワードMEで見える化している話
分散しても、元本も配当も保証されるわけではない
最後に、これだけははっきり書いておきたいことがあります。
業種を散らしたからといって、損をしなくなるわけでも、配当が約束されるわけでもありません。
分散はあくまで「同時に揺れる確率を下げたい」という工夫であって、株価が下がるときは、業種をまたいで揃って下がることもあります。減配が複数の業種で重なる可能性だって、ゼロではありません。
「分散すれば安全」と言い切れたら気持ちは楽なのですが、現実はそんなに単純ではない、というのが正直な実感です。私自身、これで安心しきっているわけではなくて、「少しでも揺れをやわらげられたら」くらいの気持ちで続けているにすぎません。
家計・教育費・投資をどう組み合わせて考えているか、という全体像はこちらにまとめています。
→ 【中学受験の教育費】お金を「数字」から「お守り」へ。わが家の家計管理・資産運用まとめ
おわりに
「いい銘柄を選べば、それでいい」——最初の私は、そう思っていました。でも、似た業種ばかりが並んでいることに気づいてから、「どう散らすか」も同じくらい大事なんだな、と考えるようになりました。
派手な工夫ではありませんし、これで儲かるという話でもありません。ただ、業種を散らしておくと、減配の一報を受け取ったときに、以前よりは少し落ち着いていられる気がしています。私にとっては、それで十分でした。
相場が荒れたときに慌てないための、自分なりのお守り。そんなふうに思って、ゆるく続けています。
この記事は、私自身の体験と考えをまとめたものです。特定の銘柄や投資手法、特定の分散の方法をおすすめするものではありません。記載した考え方はあくまで筆者個人のものであり、その有効性を保証するものではありません。分散投資はリスクを完全に避けられるものではなく、株式投資には元本割れのリスクがあります。配当金の額や有無も将来にわたって保証されるものではありません。投資の判断は、ご自身の責任で行ってください。