中学受験の答案をAIで見直す|『理科が苦手』を次の対策に変える方法
育成テストや模試の点数を見ても、次に何をすればよいか分からない。わが家がAIと答案を整理し、『理科が苦手』を滑車・輪軸の対策へ、『英文法が苦手』を英作文のつまずきへ具体化した記録です。
目次
育成テストや模試の結果を開くと、まず目に入るのは点数です。
「理科が低い」「国語が下がった」。結果は分かる。でも、親が知りたいのは、点数の理由よりも「今週、家で何を伝えればいいのか」ではないでしょうか。
わが家でも、次女の理科を見て「やっぱり理科が苦手なのかな」と思ったことがありました。ところが答案を見直すと、課題は理科全体ではなく、滑車と輪軸で力と距離を組み合わせる問題に集中していました。
長女の英語でも似たことがありました。「文法が分からない」と思って選択式の確認問題を作ると、10問中9問が正解。実際の答案を見ることで、選択する知識はある、しかし自分で英文を書くときに動詞や前置詞を取りこぼすと分かりました。
この記事で書くのは、AIに子どもを診断させる方法ではありません。答案にある情報を整理して、親が子どものつまずきに気づき、家庭と塾での次の一手を決めやすくする、わが家の使い方です。
結論を先に言うと、AIは「答えを出す先生」ではなく、親が見るべき情報を並べる整理役として使うのが、いちばんしっくりきました。
点数だけでは、次の対策は決められない
点数は大切な結果です。ただ、点数だけでは「何が起きたか」までは分かりません。
理科が低くても、難問に時間を使いすぎたのかもしれません。みんなが解ける基礎問題を落としたのかもしれません。あるいは、特定の単元だけで止まったのかもしれません。
英語も同じです。「文法が苦手」に見えても、選択問題は解けるのに、自分で英文を書くときだけ手が止まることがあります。
| 点数だけで見えること | 答案まで見ると分かること |
|---|---|
| 理科が低い | 滑車・輪軸の特定の型で失点している |
| 英文法が苦手そう | 選べるが、自分で書くと動詞や前置詞が抜ける |
| 復習が必要 | どの問題を、どんな形で復習するか |
「苦手教科を見つける」だけでは、対策をするには情報の粒度が少し大きすぎます。
苦手を、次に取り組める大きさまで小さくする。 そのために、答案を見ます。
わが家は「点数→仮説→答案→再整理→次の一手」で見ている
わが家でやっていることは、複雑ではありません。正誤結果をもとに、親とAIで仮の課題を置きます。
その仮説を手がかりに、親が実際の答案を見て、失点の様子や解き方を確かめます。AIの見立てと異なる気づきがあれば、それをAIに伝えて整理し直します。
こうして親とAIで行き来しながら、本当の苦手を次に取り組める大きさまで絞っていきます。
- 点数と正誤結果をもとに、親とAIで仮の課題を置く
- 親が答案を見て、失点した問題や解き方を確認する
- 親の気づきをAIに伝え、仮説を整理し直す
- 必要なら短い確認問題で仮説を確かめる
- 家庭でやることと、塾に相談することを一つか二つに絞る
- 次の答案で、仮説が合っていたか見直す
最初の「理科が苦手」「英文法が苦手」は、あくまで仮説です。ここで決めつけないことが、いちばん大事でした。
AIは、たくさんの付せんを机の上に並べ替える係のようなものです。単元、設問の形式、空欄か誤答か、問題の難しさなどを整理してもらうと、親が見るべき場所が少しはっきりします。
ただし、AIの答えをそのまま信じることはしません。子どもの答案、本人の感覚、必要に応じて塾の先生の見立てを合わせて、初めて次の一手を決めます。
次女の理科は「苦手」ではなく、滑車と輪軸の問題だった
次女の育成テストで、理科は4教科の中でいちばん低い点数でした。
以前のわたしなら、「理科をもっとやらないと」で終わっていたと思います。でも今回は、問題ごとの正誤・空欄の場所・全国正答率をAIに渡して、失点が集まっている場所を整理してもらいました。そのうえで、答案を開いて一問ずつ確かめました。
すると、後半の空欄は正答率が低い難問でした。そこを解けなかったことは、次女だけの大きな課題とは言えません。
いっぽうで、前半の比較的多くの子が取れている問題で失点がありました。その問題を単元ごとに並べると、滑車と輪軸で「力」と「距離」をセットで考える型に共通していました。
| 見えていたこと | 答案から分かったこと | 次に決めたこと |
|---|---|---|
| 理科が低い | 滑車・輪軸の組み合わせ問題で止まっている | 該当する基本問題を補強する |
| 後半が空欄 | 正答率が低い難問だった | 難問を追いかけすぎない |
こうして、「理科が苦手」という大きくてぼんやりした悩みが、「滑車と輪軸の、力と距離を組み合わせる問題を練習しよう」に変わりました。
やることが絞れると、家での声かけも変わります。「理科をがんばろう」ではなく、「この型を一緒に見てみよう」と言えるようになりました。
次女の答案を、空欄の場所と全国正答率から詳しく見直した記録はこちらです。
→ 【中学受験ログ2027 #8】算数が64→87点に。理科の敗因は「滑車の3問」
長女の英語は「文法が分からない」のではなかった
長女が英語で困っているように見えたとき、親としては「文法が分からないのかもしれない」と考えました。
そこでAIに、語順、be動詞と一般動詞、時制などを確認する選択問題を10問作ってもらいました。結果は10問中9問正解。最初に置いた「文法知識が足りない」という仮説は、ほぼ当てはまりませんでした。
実際に使ったのは、AIに作ってもらった英語の確認問題です。塾や学校の問題ではなく、AIで作成した自作の確認問題を使いました。


これは一見、原因が分からずに終わったように見えます。でも、実際は逆でした。問題のない場所を何度も練習させる前に、「選べる力」はあると分かったからです。
次に、直近の英語の答案を見ました。すると、選択問題では取れているのに、和文英訳や英作文で失点が集中していました。
自分で英文を書くときに、動詞が抜ける。前置詞の後の形が乱れる。時制を過去に直しきれない。知識がまったくないというより、頭の中にあるものを、書く場面で取り出しきれていないように見えました。
| 最初の仮説 | 確認したこと | 答案から分かったこと | 次の方向 |
|---|---|---|---|
| 文法が苦手 | 選択問題を10問 | 9問正解。選べる力はある | 文法問題を増やしすぎない |
| 英文が書けない | 実際の答案 | 自分で書くと動詞・前置詞を取りこぼす | 短い英文を組み立てる練習へ |
長女には、「文法の土台はある。ただ、実際に書くと動詞や前置詞が抜けやすい」と伝えました。
仮説が外れたことは失敗ではありません。次は「書くときに文の骨組みを出す」練習に絞れます。
本当に助けるべき場所へ近づくための、必要な発見でした。
AIには「結論」ではなく「整理」を頼む
AIに頼むときは、「この子の弱点を診断して」と一言で聞かないようにしています。断定されると、親も子どもも、その言葉に引っ張られてしまうからです。
代わりに、答案の失点をどう見ればよいか、確認すべきことは何かを整理してもらいます。
たとえば、次のように頼めます。
以下は子どものテストの失点メモです。
「○○が苦手」と決めつけず、次の順で整理してください。
1. 失点を単元・設問形式・難易度で分ける
2. 共通する失点パターンを、仮説として3つ以内で出す
3. 追加で答案や本人に確認したいことを挙げる
4. 家で次の1週間にできる、小さな復習案を1〜2個出す
5. 塾の先生に相談するなら、何を具体的に聞けばよいか、何をお願いすべきかを挙げる
断定せず、分からないことは「分からない」と書いてください。
この頼み方なら、AIの返答は「正解」ではなく、親子で確かめるためのメモになります。
そして、対策を増やしすぎないことも大切です。見つかった課題を全部やろうとすると、忙しい家庭では続きません。
わが家では、次の一週間にやることを一つか二つに絞り、自作のアプリも活用します。
家庭でできることと、塾の先生に相談することを分けるだけでも、考える時間はかなり短くなりました。
答案をAIに見せる前に決めていること
子どもの学習データを扱うので、わが家では次の点を決めています。
- 氏名、受験番号、学校名、塾の校舎名は消す
- ブログ記事には、実際のテストの設問文や答案画像を載せない。ただし、個人情報を含まない自作の確認問題は掲載可
- AIの回答を、正解と決めつけない
- 子ども本人の感覚と、必要に応じて塾の先生の見立てを大切にする
- 子どもを評価する材料ではなく、助け方を考える材料として使う
AIに渡す情報は、必要な範囲だけにします。わが家の場合は、問題の単元、正誤、設問の形式、親が気になった点を短くまとめたメモから始めています。
まとめ|分析時間を短くして、子どもを見る余裕をつくる
AIを使う目的は、親が分析の専門家になることではありません。
点数と答案の中身を早く整理して、子どもが今どこで困っているかに気づくこと。家庭で助けることと、塾の先生に相談することを分けること。そのために使っています。
次女の理科は、「理科が苦手」から「滑車と輪軸のこの型を補強しよう」へ変わりました。長女の英語は、「文法が苦手」から「書くときに文の骨組みを出す練習をしよう」へ変わりました。
どちらも、点数だけでは見えなかったことです。
分析にかかる時間を少し短くできれば、そのぶん子どもの疲れや頑張りを気にかける余裕が生まれる。 わが家では、AIをそんな整理役として使っています。
AIで復習アプリを作りながら、答案の「なぜ」を探してきた途中の記録はこちらです。
わが家で試してきた、AIを使った学習支援の記録は、こちらにまとめています。